JAXA COSMODE PREOJECTガイナとは遮熱機能を有する高性能塗布式断熱材です。ガイナはジャクサの技術供与のもと民生品として民間で開発された高性能塗布式断熱材で『JAXA COPSMODE PROJECT商品』です。ロケットの先端部分では打ち上げ時に高温の空気との摩擦熱が発生します。その摩擦熱を発生した瞬間放出することで高温の熱からフェアリング内部の人工衛星などを守ります。伝導率を抑えて厚みを確保する建築的な断熱とは考え方が異なります。また人工衛星は太陽光線に曝露される場所では表面温度は概ね200℃、地球の裏側など太陽光線が当たらない場所では概ね-200℃になります。人工衛星は地球の周りを秒速8km程度のスピードで1日に16周ほど廻ります。ですからその表面の瞬間の温度格差は大変大きくなります。そのような環境下では熱伝導率×厚みで性能を評価するいわゆる断熱材だけでは熱処理は到底追いつきません。ですから宇宙では太陽光線と熱反応しないことも断熱と考えます。 スペースシャトルの表面のタイルは太陽光線と熱反応しにくい性質を有するセラミックで作られています。H2ロケットの先端部分を覆っているのもそうした性質を有するセラミックです。そしてガイナも太陽光線と熱反応せず、わずかに反応した熱も瞬時に放熱し大気等と平衡することで建物への熱の影響を処理します |
ロケット打ち上げ時の熱処理のイメージ・・・外断熱(断熱材は露出している)
写真の実験は、ガイナの遮熱性能と断熱性能を別々に実験したものです。同じ鉄板を2 枚用意し、片方の鉄板の片面にガイナを塗布しました。
次に各々の鉄板に同じ条件で熱を加えます。電球は100W のレフ電球です。電球からはあらゆる波長の赤外線が放射されます。鉄板表面での発熱温度は200℃以上になります。
遮熱実験は塗装面を加熱、断熱実験は未塗装面からの加熱です。
@が遮熱実験です。電球からの放射をガイナ塗装面で受けます。外壁に太陽光線が照射されているイメージです。鉄板の裏面の温度を計測しています。
点灯5 分後にガイナ塗装鉄板は54℃、未塗装鉄板は74℃となり、20℃の温度差が生じています。ガイナ塗装面で熱反応を抑制した結果、鉄板の裏面の温度に差が生じたと言えます。これは建物外壁に塗布した時、太陽光線の熱反応を抑制することを証明しています。
Aが断熱実験です。遮熱実験に引き続きの計測です。遮熱測定直後のガイナ塗装鉄板を反対に向け、未塗装面から熱を加えます。ですから、両方の試験体とも熱が加わる条件は同じです。次に試験体の上に氷を乗せます。その時のガイナ塗装鉄板の表面温度は56℃、未塗装鉄板は74℃です。その上に氷を乗せます。鉄板に氷を乗せると氷に熱が移動しますから74℃あった未塗装鉄板の表面の熱は、表面温度を63℃に低下させるだけの量が瞬時に氷に移動したことになります。その後も2 分後に45℃、3 分後に43℃と下がり続け、3 分後には熱を受け取った氷はほとんど形を残していません。
ところがガイナ塗装鉄板では、氷を乗せた瞬間に56℃だった鉄板の表面温度は2 分後には63℃,3 分後には64℃と上昇し、氷はほとんど溶けていません。これは鉄板の未塗装面から加えられた熱と、鉄板表面の熱が氷に移動していないことを示しています。氷に熱を奪われないから塗装面の温度は上昇することになり、氷は熱を奪わないから溶けないという事になります。
氷と塗膜の接点では、温度は低いが熱量は多い氷と、温度は高いが熱量がほとんどないガイナ塗膜の間で瞬時に熱が平衡します。ですから接点の塗膜の表面温度は氷の温度になります。同じ温度同士では熱の移動は起こりませんからこのような現象になります。64℃のガイナ鉄板の上では氷も溶けないわけですから、手で触っても熱いとは全く感じません。
このようにガイナ塗膜は表面に触れる物の温度に瞬時に影響され、平衡します。これを同化と呼んでいます。この性質を利用して平成11 年には広島最大の屋外プールであるちゅーぴープールの椅子にガイナが塗布されました。この椅子は真夏の炎天下に水着のまま座っても熱く感じることはありません。また同プールではスラーダーの前の敷地アスファルトの地面1500平方メートルにも塗布しました。夏季期間の営業中に、この塗布面の上は裸足で歩いても熱くありません。
ガイナの断熱生物は温熱環境が安定している空間の方が生息しやすい。だから建築では室内温熱環境が屋外の環境に影響されないように工夫してきました。その代表的な方法が断熱です。断熱とは片側から伝わった熱が反対側に移動しないようにする技術です。 その方法は断熱材という蓄熱性の良い材料で建物を包むことです。 異なる物質に同じ熱量を加えても上昇する温度は物質によって差が生じます。これは、物質によって比熱が異なるからです。比熱とは1g あたりの物質の温度を1 度あげるのに必要な熱量のことです。つまり、比熱とは物質1g あたりの熱容量ということになります。 比熱は大きくなるほど、温まりにくく、さめにくい性質をもっています。 熱伝導率が小さく蓄熱量(比熱が大きい)が大きい状態が蓄熱性が良いということになり、その代表的な物質が断熱材です。言い換えるとたくさんの熱を溜め込むかわりにあまり温度上昇しないもので、しかも熱を少しずつしか受け取らない。それが断熱材です。 |
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空気比熱0.24kcal/kg℃、空気密度1.2kg/ ?のとき、1?の空気の温度を1℃上昇させるのに必要な熱量は 0.24kcal/kg℃×1.2kg/ ?=0.288kcal となります。 本来は体積と質量での比較は出来ませんが、水1 ?の温度を1℃上昇させるのに必要な熱量は1000kcalです。 6 帖間、天井高2.4m では気積=26.21 ?ですから、6帖間の温度を1℃上昇させるのに必要な熱量は 0.288kcal×26.21 ?=7.55kcal で足ります。 反対にこれだけの熱量を奪えば温度は1℃低下します。空気を相手にするだけなら冷暖房エネルギーなど僅かで済むのに実際の生活で膨大なエネルギーを要するのは躯体が蓄熱するからです。躯体の蓄熱をゆるし、その蓄熱を相手にするからです。ガイナを外壁に塗装すると建物の蓄熱を抑制し、内壁に塗ると建物の蓄熱を無害化(相手にしない)することができます。ガイナを使えば従来の断熱の概念を大きく変えてしまうことができ、欠点のない住宅の断熱を実現できます |
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これによって生じたものが反響で、物体によって、反響する音波は変化します。音波は、壁の内部に有る空気も振動させ、空気は膨張収縮を繰り返します。空気の粘性、空気と繊維の摩擦、繊維同士の摩擦により熱エネルギーが発生し、その熱エネルギーは壁等に吸収されます。残りの音波は透過波となり室内に侵入します。この時、エネルギー保存の法則により、入射波=反射波+熱エネルギー+透過波となります。 透過波や開口部から侵入した音は、内壁で同じ作用を繰り返します。コンクリートのような剛体で、平行な壁では何度も反響を繰り返して残響となることがあり、場合によっては生活に不向きな空間となります。ガイナの表面はミクロの凹凸があり、単位当たりの表面積は極端に大きくなっています。平滑ではない塗装膜の表面に到達した音波は複雑に反響し、効率的に熱に変わり、透過波と反射波を小さくします。室内に平行な壁があっても、その表面のミクロの凹凸によって実際には平行ではなく、残響も起こしにくくなります
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